社会福祉法人の税務

2016年04月05日  |   webセミナー  

こんにちは。今回は「社会福祉法人の税務」というテーマでお話をしていきたいと思います。

社会福祉法人を取り巻く税金ということですが、主に法人税と消費税、そしてその他の税金と大きく分けています。
法人税に関しては原則非課税です。ただし、法人税法上の収益事業に関しては通常の企業と同様に課税されます。また、消費税に関しては収入の多くは非課税ということになっています。これによって何が起こるのかというのは後ほどご説明をしていきたいと思います。その他の税金に関しても様々な税制優遇措置があるということになっています。これらが社会福祉法人を取り巻く税制の主なものです。

社会福祉法人は法人税法上の公益法人になりますので、法人税は原則非課税となっています。ただし、法人税法上の収益事業、この収益事業というのは34種類に限定列挙されているわけですけれども、これに該当するということと、事業を継続して行う、という要件が重なってくるとこの収益事業に関しては通常の企業と同様に税金を払わなくてはいけないということになります。

収益事業を行うとなぜ法人税がかかるのかと言いますと、収益事業というのは一般事業会社もやっていることですので、そこの事業会社が同じ商売をやった場合には税金が取られるのに、社会福祉法人が同じ事業をやった場合に税金を払わないというのはあまりにもバランスが悪くなってしまうだろうということで、そのバランスを取るためにこういった措置が設けられています。
ただし、収益事業を行ったとしても、みなし寄付金制度というものがあり、多くの場合税金はほとんど発生しないというケースが多くなります。

ひとつ大きな論点と言えるのが消費税です。消費税に関しては課税売上、これは消費税が課税される売上ですが、これが1,000万円以下だと消費税は納税しなくていいことになっています。1,000万円を超えてくると税金を納めなければならないという形になります。その消費税の計算方法ですが、この課税取引に対して消費税がかかってくるのですが、非課税取引というものがあって、消費税がかからない取引があらかじめ決められています。社会福祉法人は公益法人であることが加味されていて消費税がかからない取引が多くなります。一般事業会社であれば消費税を負担しなければならないのですが、社会福祉法人だからこそ消費税を負担しなくてもいいというところが一つのポイントです。
ただ、問題となるところというのが、例えば社会福祉法人が何かの作業を普通の事業会社に外注したとしますと、支払う際には当然消費税を負担しなくてはなりません。一方で収入の方ですが、保険収入というのは消費税が乗っかってこないわけです。そうすると入金ですね、法人に入ってくるお金というのは消費税が乗っかっていない状態にも関わらず、外部に支出するときには消費税を負担しなければならないということになります。これは医療法人でも同様の状況なのですが、よく言われるのが、消費税の支払い損なのではないかと言われるケースがあります。これはただ冷静に考えてみると支払い損にはなっていないのです。ただしこれは消費税の納付がものすごく大きくなってしまう構造ではあるので、常に、支出する際には一体消費税はいくら払わなければならないのかと、その資金をきちんと準備をしておくということをやっておかないと、資金繰りが厳しくなってしまうケースがありますので、一般の事業会社よりもより消費税の支払いについては気を使って管理をしておく必要があるかなと思います。それをしておけば、支払い過ぎとかいう訳ではありませんので、その点だけは注意をしておいていただきたいと思います。ただし資金繰り的に厳しくなってしまう部分は確かにありますので、そこの資金繰りの管理はしっかりしておく必要があると思います。

【参考:非課税取引】
社会福祉法人の収入の多くは、社会的政策の配慮により非課税取引となっている。
例)・介護保険サービスの提供
  ・社会福祉事業等によるサービスの提供
  ・一定の身体障害者用物品の譲渡や貸付
従って、課税売上が1,000万円超となる(納税義務者となる)社会福祉法人は少ない

その他の税金に関しても優遇がされています。固定資産税の非課税ですとか、印紙税の非課税ですとか、いくつかの税制優遇措置が公益性というところから認められています。

【参考:その他の税制優遇措置】
・預貯金及び有価証券の利子に係る源泉所得税と都道府県民税利子割の非課税
・固定資産税の非課税
・印紙税の非課税(金銭の受取書、介護保険サービスの印紙税)
・不動産取得税

本日は以上です。